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文献詳細

雑誌文献

臨床外科44巻3号

1989年03月発行

老医空談・7

迎新言始

著者: 斉藤淏

ページ範囲:P.374 - P.375

文献概要

昭和最後の1月1日
 除夜の鐘の余韻が消えるのを待って就寝するのが,迎春の例になっている.108の煩悩を消してから安眠しようというのではない.この鐘は私の生涯に余韻を残しているのである.その起こりは古く,中学生の頃,ある古寺で鐘をつかせてもらった時のことです.その2,3日あとになって,信者の1人から2つか3つ多かったと注進があった.早速和尚さんに詫びを入れておいたので,そのことはすっかり済んでしまったと思っていた.ところがその後,お札を数えているOLを見たり,そのほか何事につけ,終りにしようとするときには,きまって余韻が響いてくるのです.打ち止めの余韻が私の耳から離れていないのです.今年は,洋式の"凡鐘"のため余韻のないものがあったせいか,何も思わず,すぐに熟睡しました.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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