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特集 消化器良性疾患の手術適応—最近の考え方
文献概要
近年,胆石保有者の増加や診断率の向上とともに無症状胆石症も急増し,その治療法の確立が大きな課題となっているが,いまだ明確な結論は得られていない.そこで本稿では,自験例を中心に,臨床・病理の両面から無症状胆石症の特徴を示し,①無症状とはいえ,摘除胆嚢はいずれも何らかの慢性炎症性変化を示し,基本的に有症状例と異ならないこと,②発癌の可能性が少ないとはいえ,微小(あるいは早期)胆嚢癌の存在を確実に否定し得ず,また発癌の予測を立て難いこと,を主たる根拠として,原則的に早期手術を行うべきことを述べた.
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