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文献詳細

雑誌文献

臨床外科44巻4号

1989年04月発行

老医空談・8

臨床外科医の"恕"思

著者: 斉藤淏

ページ範囲:P.546 - P.547

文献概要

 私は,年の暮になると,特定の漢字を選んで翌年の愛用に備えることにしている.一昨年は"敬"であった.昨年は"恕"を用いた.これはさる大会社の若いB社長が,高名作家のすすめによって決めてくれたのであった.
 恕の字は論語にある有名な字である.論語(金谷 治訳注)によると,「子貢が孔子にたずねていった,ひとことだけで一生行っていけるということがありましょうか,と.子曰,其恕乎,己所不欲,勿施於人也.自分の望まないことは人にはしむけないことだ.」自分を思うのと同じように相手を思いやる,恕思の心である.自分に引き比べてみて他人を同情し寛大にゆるす,寛恕の心である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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