文献詳細
カラーグラフ Practice of Endoscopy
食道内視鏡シリーズ・Ⅷ
内視鏡超音波検査—ラジアル式(その2)
著者: 村田洋子1 井手博子2 鈴木茂2
所属機関: 1都立駒込病院外科 2東京女子医科大学消化器病センター
ページ範囲:P.584 - P.586
文献概要
EUSにて正常食道壁は,高エコーと低エコー層が交互に重なり5層に観察される.この5層のEUS像の各々が,食道の組織標本のどの部分に当たるかをみるため,切除標本にゼラチンを注入し組織と対比したところ,第3層高エコー層は粘膜下層(sm)に,また第4層低エコー層は固有筋層(mp)に相当していた1).さらに,in vitroで正常食道壁を生検鉗子にて表皮のみを生検(生検組織で確認)し,この標本を水槽内で7.5MHzのプローブで観察すると,第1層が消失していた(図1).このことより,第1層は境界エコーを含む粘膜上皮に相当すると考えられた.また,第1層の下に薄くやや淡い層が観察されることもあり,これが粘膜筋板(mm)を含む粘膜固有層(1pm)と考えられた.
掲載誌情報