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文献詳細

雑誌文献

臨床外科44巻5号

1989年05月発行

文献概要

特集 外科臨床における病態別栄養

周手術期肝不全の栄養管理

著者: 木内哲也1 嶌原康行1 森敬一郎1 小林展章1 山岡義生1 小澤和恵1

所属機関: 1京都大学医学部第2外科

ページ範囲:P.597 - P.605

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 肝障害をもつ症例の術後や肝切除術後には,肝の代謝予備力が低下し,肝不全へと移行する危険性が高く,的確な代謝・栄養管理には肝ミトコンドリアにおけるエネルギー代謝の状態を把握することが重要である.具体的には,動脈血中ケトン体比(KBR)が0.7以下の症例では,低濃度glucoseによるhypoalimentationにより内因性脂肪酸の動員を促し,分枝鎖アミノ酸の投与も血中クリアランスに注意しつつ慎重に行うべきである.一部の症例では,間歇的糖負荷によってKBRが再上昇し,glucose利用能が回復するが,KBRが0.4以下となった場合には,肝の基質利用能は著しく低下し,保存的代謝管理では回復を得られないことが多い.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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