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文献詳細

雑誌文献

臨床外科44巻5号

1989年05月発行

特集 外科臨床における病態別栄養

糖尿病合併および膵全摘後の栄養管理

著者: 西松信一1 大柳治正1 宇佐美真1 植田智樹1 斎藤洋一1

所属機関: 1神戸大学医学部第1外科

ページ範囲:P.617 - P.624

文献概要

 膵全摘後を含めて外科領域の耐糖能低下時には,創傷治癒と全身状態の回復,維持のため,大量のエネルギー投与を必要とすることが多い.したがって,病態生理をよく把握し,十分なエネルギーを投与しながら,インスリンコントロールすべきである.糖尿病患者の術前術後栄養としては,高濃度グルコースと必要量のインスリン,それにアミノ酸投与で管理可能ではあるが,GFX(Glucose:Fructose:Xylitol=4:2:1),BCAA richなアミノ酸,脂肪乳剤の併用が有効である.膵全摘後の輸液栄養管理は安定した血糖値の維持と,十分な栄養投与による手術侵襲からの回復促進,創傷治癒促進である.膵全摘術後経過は術後早期,移行期,維持安定期の3期に分けられ,血糖変動の最も激しい術後早期は,人工膵島による血糖コントロールが有効であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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