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文献詳細

雑誌文献

臨床外科44巻5号

1989年05月発行

文献概要

一般外科医のための形成外科手技・5

熱傷の初期治療

著者: 梁井皎1

所属機関: 1順天堂大学医学部形成外科

ページ範囲:P.693 - P.699

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はじめに
 熱傷と一口に言ってもその程度によって軽症のものから重症のものまであってその幅は広い.熱傷患者外来初診時の診察,治療法の選択にあたって把握すべきは,患者の年齢,全身状態,受傷時期,受傷原因,熱傷深度,受傷面積などであるが,それらを総合的に判断して全身療法と局所療法を併せて行う必要がある.全身療法にしても局所療法にしても初期の治療(受傷後2週間位)が最も大切であり,初期の治療の良し悪しで治療結果に大きな差が出てくる.熱傷後に瘢痕拘縮などの高度の変形を残して形成外科外来を訪れる患者の中には不適切な初期治療が原因と思われる症例も少なくない.
 熱傷患者の診察,治療にあたってまず大切なのは全身状態の把握と重症度の判定であるが,あまりにも全身状態が悪かったり熱傷受傷面積の広い重症の患者では救急処置の後,重症熱傷患者の管理治療に慣れた専門の施設に転送することが望ましい.
 本稿では,まず熱傷患者の重症度の判定法について述べ,次に一般的な全身療法,受傷程度に対応した局所療法について述べる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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