文献詳細
臨床研究
文献概要
はじめに
肝動脈塞栓術(以下TAE)1)は肝腫瘍の治療や外傷性肝損傷に対する止血法として放射線科医のみならず外科医によっても施行される機会が多い.TAEを施行する場合,膵炎や十二指腸壊死などの合併症を予防するためには,カテーテル先端は少なくとも胃十二指腸動脈分岐部より末梢側に挿入する必要がある.しかしながら,肝動脈分岐形態により固有肝動脈への挿管が困難な症例を経験することがある.そのような症例に対して,体表より用手的に胃十二指腸動脈を圧迫して,一時的に胃十二指腸動脈の血流を遮断して,総肝動脈より肝動脈塞栓術(以下本法)を行うことを試みた.
肝動脈塞栓術(以下TAE)1)は肝腫瘍の治療や外傷性肝損傷に対する止血法として放射線科医のみならず外科医によっても施行される機会が多い.TAEを施行する場合,膵炎や十二指腸壊死などの合併症を予防するためには,カテーテル先端は少なくとも胃十二指腸動脈分岐部より末梢側に挿入する必要がある.しかしながら,肝動脈分岐形態により固有肝動脈への挿管が困難な症例を経験することがある.そのような症例に対して,体表より用手的に胃十二指腸動脈を圧迫して,一時的に胃十二指腸動脈の血流を遮断して,総肝動脈より肝動脈塞栓術(以下本法)を行うことを試みた.
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