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文献詳細

雑誌文献

臨床外科44巻6号

1989年06月発行

文献概要

特集 胃癌治療の最近の話題

大動脈周囲リンパ節郭清の手技と臨床的意義

著者: 米村豊1 宮崎逸夫1

所属機関: 1金沢大学医学部第2外科

ページ範囲:P.777 - P.784

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 胃癌大動脈周囲リンパ節(No⑯)有転移36例を中心に,No⑯の郭清の手技・臨床的意義について検討した.No⑯郭清を行った症例でNo⑯に転移をみた症例の5生率は16%(5生例4例)であり,No⑯郭清は郭清効果ありと考えられた.No⑯郭清の適応となる症例は進行胃癌で第2,第3群リンパ節転移を有する例,およびC領域でNo②に転移のある例と考えられた.No⑯の郭清範囲は胃中・下部・全体癌では重点的郭清は不可能で,大動脈裂孔から下腸間膜動脈根部付近までの大動脈周辺リンパ節すべてを郭清すべきである.胃上部癌では特にNo⑯左側を中心とした郭清が重要である.また胃上部癌ではNo(8p),胃中・下部・全体癌ではNo⑫⑬⑭(8p)に対する重点的R3手術を併施しなければならない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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