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文献詳細

雑誌文献

臨床外科44巻7号

1989年07月発行

文献概要

特集 食道癌の手術

頸部食道癌根治手術—腸管遊離移植による食道再建

著者: 加藤抱一1 日月裕治1 渡辺寛1 小野勇2 海老原敏2 中塚貴志3 波利井清紀4

所属機関: 1国立がんセンター病院外科 2国立がんセンター病院頭頸科 3国立がんセンター病院形成外科 4東京大学医学部形成外科

ページ範囲:P.885 - P.889

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 頸部食道の再建法として,40例の腸管遊離移植の経験から,その手技上のポイントを示し,有用性を強調した.腸管遊離移植に重要なことは,優れた微小血管外科医と,その他の外科医のチームワークであり,具体的ポイントは,移植床血管の的確な処理,適切な腸管の採取,移植床における腸管と血管の適切な配置である.移植腸管はヘパリン化や冷却なしに室温にて阻血3時間までは生着に問題がない.合併症の大部分は口側消化管の縫合不全であったが,腸管遊離移植に関して,致命的となる合併症はなく,他の頸部食道再建法に比べても,より安全で確実な方法であり,食物の経口摂取も日常生活に差し支えない程度に十分可能である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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