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文献詳細

雑誌文献

臨床外科44巻7号

1989年07月発行

文献概要

特集 食道癌の手術

胸部食道癌根治手術—結腸による食道再建

著者: 吉野邦英1 遠藤光夫1

所属機関: 1東京医科歯科大学第1外科

ページ範囲:P.909 - P.913

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 結腸による食道再建で手技上最も大切なことは,血行がよく十分長さに余裕のある結腸を,いかに安全に頸部へ挙上するかということである.このためには結腸全体を周囲より授動して,transilluminationによって血管系を十分によく観察することが必要である.とくに回盲部,左右結腸曲付近の辺縁動脈に,断絶や狭小化などがないかどうかをよく確かめる.右側結腸か左側結腸の選択は,辺縁動脈の状態の良い方にする.左側の場合は左結腸動脈を,右側の場合は中結腸動脈を栄養血管とする有茎結腸を作成し,いずれも順蠕動性に挙上する.挙上に際しては,辺縁血管に沿って挙上に必要な長さを測り,十分余裕をもたせて結腸の切離部位を決定すべきである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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