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文献詳細

雑誌文献

臨床外科44巻7号

1989年07月発行

文献概要

外科医の工夫

フィブリン接着剤と血液凝固第ⅩⅢ因子製剤の併用により治癒せしめた難治性膵液瘻の1例

著者: 内野良仁1 滝野史労1 安永正浩1 平岡武久1 田代征記1 宮内好正1

所属機関: 1熊本大学医学部第1外科

ページ範囲:P.975 - P.977

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はじめに
 膵頭十二指腸切除術後の早期合併症である膵空腸縫合不全は,膿瘍や膵液瘻を形成するだけでなく,播種性血管内凝固症候群(DIC)や腹腔内出血などの致命的な合併症を来すことがある.とくに難治性膵液瘻は,患者の社会復帰を遅延させるだけでなく,その治療には苦慮することが多い.最近フィブリン接着剤を瘻孔内に充填し,瘻孔を閉鎖する方法が報告されている1〜3).われわれは難治性膵液瘻に対して,創傷治癒の促進を目的に血液凝固第ⅩⅢ因子製剤を全身的に投与し,フィブリン接着剤を瘻孔内に注入することにより瘻孔の完全閉鎖ができた症例を経験したので,若干の文献的考察を加えて報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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