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文献詳細

雑誌文献

臨床外科44巻8号

1989年08月発行

文献概要

特集 臓器生検の適応と手技

下部消化管の生検

著者: 沢田俊夫1 北條慶一1 森谷宜皓1

所属機関: 1国立がんセンター外科

ページ範囲:P.1053 - P.1059

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 下部消化管腫瘍性疾患について,生検の適応と手技について解説した.551個の内視鏡的摘除大腸ポリープの86.4%は腫瘍性であり,癌は11.6%であった.鉗子生検の正診率から検討すると,絨毛腺管腺腫,Grade Ⅲ異型腺腫,および癌に対する鉗子生検診断の信頼性は低く,ポリペクトミーが重要となる.特殊例を除けばm癌はポリペクトミーで治癒する.しかしsm癌の一部(Ⅰs,Ⅱa,Ⅱa+Ⅱc;10%)にリンパ節転移のリスクがある.最近2年間の大腸癌285例の組織型は,高分化50.2%,中分化39.3%であった.低分化,粘液癌は少ないが正診率も低い.生検診断を的確に行い,遠隔成績改善のために低分化腺癌,粘液癌には徹底した郭清と集学的治療が必要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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