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文献詳細

雑誌文献

臨床外科44巻8号

1989年08月発行

文献抄録

抗生物質耐性Bacteroides fragilis株の出現

著者: 宇山一朗1 石引久弥1

所属機関: 1慶応義塾大学医学部外科

ページ範囲:P.1088 - P.1088

文献概要

 無芽胞偏性嫌気性グラム陰性桿菌Bacteroidesfragilisには近縁菌種群としてB.distasonis, B.ovatus, B.thetaiomicron, B.vulgatusも含まれ,ヒトに病原性を示す重要な嫌気性菌群であり,種々の感染症から分離される.糞便汚染と関連のある複数菌感染症での役割のために腹部外科医から注目されてきている.大腸内ではこれらの嫌気性菌は好気性菌の約1,000倍と多い優勢な菌叢構成細菌である.さらに,酸素の存在する組織内でも生存し,壊死,化膿をもたらす病原性をもっている.
 この嫌気性菌群の抗生物質感受性は臨床検査室で測定されることは稀であり,clindamycin(CLDM)を中心とした抗菌剤の組み合わせが使用されている.しかし,CLDM,metronidazole(MNZ),chloramphenicol(CP)耐性株が報告されてきているので,この点を注意する必要がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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