文献詳細
臨床報告
DICを合併した腹部大動脈瘤の治療経験
著者: 中島公博1 安田慶秀1 松居喜郎1 合田俊宏1 佐久間まこと1 田辺達三1
所属機関: 1北海道大学医学部第2外科
ページ範囲:P.1235 - P.1238
文献概要
DIC(disseminated intravascular coagulation)の原因として種々の疾患が考えられているが,その中でも大動脈瘤によるものは稀である.最近,われわれは瘤内壁在血栓が原因と思われるDICを合併した腹部大動脈瘤の手術症例を2例経験した.1例は,呼吸機能低下,腎機能低下などの合併症をもっていたにもかかわらず,術後にDICの改善,全身状態の改善をみた.しかし,他の1例は術前からの腎不全が術後改善傾向を示さず,MOF(multiple organ failure)にて失った.
今回,この2症例を呈示するとともに,病因ならびに治療について考察する.
掲載誌情報