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文献詳細

雑誌文献

臨床外科45巻1号

1990年01月発行

文献概要

特集 肺癌の診断と治療 '90

進行肺癌に対するneoadjuvant therapy

著者: 渡辺洋宇1 龍沢泰彦1 清水淳三1 岩喬1

所属機関: 1金沢大学医学部第1外科

ページ範囲:P.77 - P.84

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 肺癌に対するneoadjuvant therapy(NAT)の目的は,進行肺癌の切除率の向上と,その生存率の改善にある.CDDPを主体とする多剤化学療法を術前に2〜3コース施行し,手術に持ち込むものであるが,最近では化学療法と放射線療法を併用したNATの報告が多くなっている.現在までの報告は,いずれも試行の段階であるが,NATによってX線像上70%内外の寛解が得られ,完全切除率は向上し,切除材料での腫瘍細胞の完全消失例もかなりの頻度でみられている.また,その予後も従来の進行肺癌の治療成績に比べて,中間生存期間の延長,生存率の向上などをみた報告もある.進行肺癌に対するNATの現況,その問題点,今後の検討課題などについて述べる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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