icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床外科45巻1号

1990年01月発行

臨床報告

広範な同時性肝転移を伴った早期胃癌の1例

著者: 菅沢章1 山根祥晃1 河野菊弘1 万木英一1 阿部重郎1 上田雄麓2

所属機関: 1島根県済生会江津総合病院外科 2上田医院

ページ範囲:P.123 - P.127

文献概要

はじめに
 胃癌の診断技術の進歩と検診の普及により胃切除症例に占める早期胃癌の割合は年々上昇し,最近ではその比率は30%前後であるとされている1,2).一般に早期胃癌の手術成績は良好であり満足できるものといえるが,早期胃癌といえども手術時の転移や術後再発が認められることも稀ではない.手術時のリンパ節転移は粘膜内癌では2.6%〜6.6%1,3),粘膜下層まで癌浸潤がある場合は18.8%〜23.9%1,2)と報告されている.一方,肝転移は全胃癌手術例に対して5.7〜14.5%1,4〜7)とされているが,早期胃癌の肝転移については本邦では自験例を含めて18例の報告が認められるのみで,きわめて稀である.
 われわれは胃前庭部の隆起型早期胃癌で,手術時既に広範な肝転移を伴った症例を経験したので,若干の文献的考察を加えて報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら