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文献詳細

雑誌文献

臨床外科45巻10号

1990年10月発行

カラーグラフ Practice of Endoscopy

胃・十二指腸内視鏡シリーズ・Ⅶ

クリップ止血法

著者: 蜂巣忠1 一瀬雅典1 佐藤慎一2 粒良幸正2 岩岡秀明2

所属機関: 1国立佐倉病院外科 2国立佐倉病院内科

ページ範囲:P.1203 - P.1206

文献概要

 出血血管を物理的に把持止血することは,外科手術における最も確実な止血法であるが,最近開発され使用されている,オリンパス社製HX−3Lによる経内視鏡的クリップ止血法も,外科手術の針糸結紮に相当する確実な止血手技である(図1,2).
 クリップ止血法の最大の利点は再出血が極めて少ないことであり,初回に十分なクリップ把持ができた症例では,ほとんど再出血はなく,クリッピングの追加も必要としない.手技に慣れるとほとんどの症例を止血できるようになるが,止血不可能な症例ではクリップ把持そのものが不可能な症例が多く,この点で,一時的に止血することの多い他の止血法とは大きく異なる.しかし観点を変えると,このクリップ止血の適応が明確であることは,外科手術を考慮する上で好都合であり,また頻回な内視鏡的止血が不可能で,比較的早期に外科手術に踏み切らなければならない,われわれの施設のような一般病院に適した手技と考える.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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