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文献詳細

雑誌文献

臨床外科45巻10号

1990年10月発行

文献概要

特集 胸水・腹水への対処

乳糜胸水

著者: 中村輝久1 松浦弘1 重冨亮1 吉村寛志1

所属機関: 1島根医科大学第2外科

ページ範囲:P.1223 - P.1230

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 乳糜胸は比較的稀な疾患であり,手術,外傷,悪性腫瘍が主な原因である.確定診断には,胸水中の脂肪蛋白電気泳動によるchylomicronの証明,中性脂肪の高値が重要である.原則として,胸腔ドレナージと高カロリー輸液による保存的治療を行うが,治癒が遷延して低栄養から死亡することもあり,食道や肺切除後など原因疾患によっては早期に積極的な外科的治療が必要であろう.一般には,乳糜の排液が1,500ml/日以上の場合,もしくは,2週間以上持続して減少の傾向がない場合を手術適応としている.手術は,乳糜貯留側で開胸して胸管の結紮を行うが,胸管の走行には非常にバリエーションが多いので注意を要する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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