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文献詳細

雑誌文献

臨床外科45巻10号

1990年10月発行

一般外科医のための形成外科手技・22

人工皮膚と創傷被覆材の知識

著者: 山田敦1

所属機関: 1東京大学医学部形成外科

ページ範囲:P.1269 - P.1273

文献概要

はじめに
 皮膚の機能は外的刺激から内部臓器を保護し,体液の漏出を防ぐなど複雑多岐である,広範囲熱傷や外傷により皮膚が失われると,著しい疼痛,細菌に対して感染しやすく,水分・蛋白質・電解質などの体液の喪失は大きい.治療法としては正常に機能する自家皮膚で欠損部を覆うことが重要であるが,広範囲熱傷など範囲および状況によっては,受傷直後に自家植皮できない場合がある.このような場合,一定期間創面を安全に被覆し,上皮化を促進させ,また良好な移植床を形成させる目的で創傷被覆材が利用されている.近年の化学工業の発展によって,多くの創傷被覆材が開発され,鎮痛,不感蒸泄の抑制,分泌物の吸収や排出などに対しかなり対応可能となっている.しかし,適応を誤ると細菌感染などが増強し,むしろ被覆材のために創傷治癒を遅らせる結果となることもある.したがって,それぞれの被覆材の特徴を熟知した上で使用しなければならない.本稿では代表的な被覆材について述べる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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