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文献詳細

雑誌文献

臨床外科45巻11号

1990年10月発行

文献概要

特集 保存的治療の適応と限界—外科から,内科から 食道アカラシア

外科から

著者: 磯野可一1 碓井貞仁1 神津照雄1

所属機関: 1千葉大学医学部第2外科

ページ範囲:P.1323 - P.1327

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 食道アカラシアは「下部食道噴門部の弛緩不全による食物の通過障害や,食道の異常拡張などがみられる機能的疾患」1)で,食道全域にわたる神経・筋の機能異常,Auerbach神経叢の神経節細胞の変性あるいは消失がみられ,その成因,病態は複雑多岐にわたっている.発生頻度は10万人に1〜2人で,年齢層は若年者から高齢者におよび,男女比は女性に若干多い.
 臨床症状は嚥下障害,胸骨後部痛,圧迫感,嘔吐,逆流などで,しばしば冷水の過飲や過食などにより症状が誘発される.嚥下障害の程度は日によって異なり,普通食が摂取できる一方で,水も通らないことも起こりうる2).悪心を伴わずに嘔吐することが多く,吐物は通常,遊離塩酸を含まない.食道癌と異なり,栄養状態は通過障害があるにもかかわらず一般に良好であるが,病悩期間の長い例では体重減少,低栄養状態に陥る例もある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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