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文献詳細

雑誌文献

臨床外科45巻11号

1990年10月発行

特集 保存的治療の適応と限界—外科から,内科から

癒着性イレウス

コメント

著者: 島津久明1

所属機関: 1鹿児島大学医学部第1外科

ページ範囲:P.1398 - P.1400

文献概要

 一般に,機械的イレウスは単純性イレウスと絞扼性イレウスに大別される.癒着性イレウスの大多数は単純性イレウスであるが,一部に絞扼性のものも含まれる.本増刊号の主題は「保存的治療の適応と限界」であるが,癒着性イレウスの場合,適応に関しては,まず異論がない.すなわち,単純性癒着性イレウスであれば,全例にまず保存的治療を試みるのが原則であり,その成功率も高い.しかし一部には,これによってなかなか改善が得られないために,やむなく外科的治療が行われることもある.これに対して,絞扼性イレウスであることが強く疑われれば,早急に外科的治療を実施すべきであり,その遅れは高率に死の転帰に導く危険性を秘めている.そこで問題は,恩田・細田両教授が指摘されているように,まず第一に単純性イレウスと絞扼性イレウスの鑑別診断を的確に行うことである.第二には単純性イレウスであることが明らかになった場合に,保存的治療の限界をどのように判断し,どのような時点で外科的治療の実施を決定すべきかが重大な問題になる.さらに,再発性癒着性イレウスに対する手術適応の問題がある.以下に,これらの点について私見を混えて述べることにしたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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