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文献詳細

雑誌文献

臨床外科45巻11号

1990年10月発行

文献概要

特集 保存的治療の適応と限界—外科から,内科から 消化管ポリープ・ポリポーシス

コメント

著者: 宇都宮譲二1

所属機関: 1兵庫医科大学第2外科

ページ範囲:P.1437 - P.1439

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 この問題について,丸山雅一氏は内視鏡医の立場から,吉雄敏文氏は外科医の立場から,それぞれまことに適切なる考察を最も新しい情報に基づいて余すところなく示されているので,私がこれに意見を加える余地はほとんどないと思われるが,立場上いくつかの点について思いつくままに私見を述べる.
 消化管ポリープの概念:消化管病変としてのポリープの定義は,かつてはそれを取り扱う人の立場,例えば臨床家と病理学者により多様であり,長く混乱が続いたために,ポリープの癌化という命題を必要以上に複雑にしてきた.しかし,研究の進歩とともに認識が深まり次第に統一した見解に達しつつあるが,なお多少不統一の部分を残している.大腸ポリープの定義は「肉眼的粘膜の限局性隆起の総称」という日本大腸癌研究会の提案はMorsonらの欧米の考えを踏襲するものであるが,それ以前に,胃ポリープは「粘膜上皮の異常増生に基づく胃内腔への突出」と第53回日本消化器病学会総会により提案されている.これによると非上皮性腫瘍,粘膜下腫瘍は除外されており,同じ消化管でありながら定義にこのような食い違いがあることは,学徒に混乱を与えていることは否定しえない.後者は内視鏡学の発達期における勢いを感ずるが,勇み足の感がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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