icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床外科45巻11号

1990年10月発行

特集 保存的治療の適応と限界—外科から,内科から

急性胆嚢炎

外科から

著者: 武藤良弘1

所属機関: 1琉球大学医学部第1外科

ページ範囲:P.1497 - P.1500

文献概要

 細菌性急性炎症を保存的に治療した場合,罹患臓器に急性炎症の後遺的変化を残すことなく治癒するのが一般的である.ところが,急性炎症の原因が機械的刺激や化学的刺激の場合は罹患臓器に後遺的変化を残し,臓器の変容を来して急性炎症は終焉することが多い.通常の急性胆嚢炎は原因がこの後者によるものであり,胆石嵌頓による胆嚢管閉塞という機械的刺激により急性炎症がもたらされるため,急性閉塞性胆嚢炎(acute obstructive cholecystitis)1)と呼ばれる.したがって,急性炎症の保存的治療では,その治癒成績を罹患臓器に後遺的変化を残すことなく健常に復する治療(完全治癒)と,後遺的変化を残したまま,急性炎症の症状や所見の鎮静化や正常化をはかる治療(不完全治癒)とに大別できよう.
 急性胆嚢炎の保存的治療は,罹患臓器の治癒という観点からみたら上述の不完全治癒に相当するが,ここでは急性胆嚢炎の保存的治療で急性炎症症状の消失と所見の正常化をもって臨床的治癒とみなすことにする.そして,保存的治療とは“解熱鎮痛剤+抗生剤±胆嚢ドレナージ”とし,外科的治療とは“胆嚢摘出術”とした.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら