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文献詳細

雑誌文献

臨床外科45巻13号

1990年12月発行

文献概要

特集 進行癌の画像診断—治癒切除の判定をどうするか

直腸癌

著者: 北條慶一1 赤須孝之1 馬島亨1

所属機関: 1国立がんセンター外科

ページ範囲:P.1861 - P.1865

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 従来の諸検査に加え,超音波エコー,CT scan,MRIなどの画像診断により,骨盤内隣接他臓器または骨盤壁への進展,リンパ節転移,特に大動脈周辺,肝,肺などの遠隔転移の有無をある程度術前に知ることができ,治癒的切除の可否がかなり判定できるようになった.一方,外科術技も進歩し,かつては切除不能とされた進行癌でも,膀胱をはじめ隣接臓器,血管や仙骨の合併切除が安全にできるようになり,切除不能と判定されるものは少なくなった.しかし,これらの画像診断でも炎症あるいはdiffuseな癌細胞浸潤の判定は必ずしも決定的とはいえず,また,完全切除が不可能でも大腸癌ではreductionsurgeryの意義もあり,それゆえ高度の進行癌といえども最初から切除不能と判定せず,あくまでも開腹したうえで最終判断がなされるべきであろう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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