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文献詳細

雑誌文献

臨床外科45巻13号

1990年12月発行

海外トピックス

米国の医療現場で見たこと,感じたこと

著者: 貞広荘太郎1

所属機関: 1川崎市立井田病院外科

ページ範囲:P.1892 - P.1893

文献概要

 本年9月初めから10月半ばまで,米国ミネアポリスのミネソタ大学大腸外科ならびにボストン郊外のレイヘイクリニック(Lahey Clinic)医療センター大腸外科を訪問し,その臨床現場を体験した.私は卒後14年目の消化器外科医であり,大腸肛門疾患を専門にしているが,一般病院に勤務しているため,大腸肛門以外の消化器疾患の診療にも携わっている.留学の経験はなく,日本のシステムの中で教育され,現在は次の世代を教育する立場にある.短期間の訪問ではあったが,“純和風”の私にとって米国の医療現場には驚く事,感心する事が多々あり,そのいくつかを述べてみたい.
 ミネソタ大学の大腸外科はDr.Goldbergを中心に10人のスタッフと4人の臨床フェロー(卒後5年間一般外科のトレーニングを終了後,1年間フェローを勤めると大腸外科医の資格が取得できる)から成り,ミネアポリス市内の15のオフィス(外来診療所)と10以上の病院に分かれて活動していた.1カ所で外来・入院患者の診療を行っていると考えていた私には驚きであった,自分のオフィスに来た患者に手術が必要な場合には,患者の加入している健康保険(保険の種類,保障される病気の範囲は非常に複雑で,保険の種類によって入院する病院が制限される場合がある)および住んでいる地域により入院する病院を決め,その病院と手術の日時などについて契約していた.したがって,1人の外科医は通常数カ所の病院で手術を行うことになる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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