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臨床研究
乳がんの診断における接触型サーモグラフィーの使用経験
著者: 戸井雅和1 和田務1 山田裕典1 大崎昭彦1 山本篤志1 峠哲哉1 新本稔1
所属機関: 1広島大学原医研外科
ページ範囲:P.241 - P.244
文献購入ページに移動サーモグラフィーはマンモグラフィー,エコーグラフィーとともに相補する乳がんの補助診断法の1つであるが,腫瘍の生物学的特性を利用するという点において後2者に比較しユニークである.その方法としては,人体より発生する赤外線を感知する赤外線サーモグラフィーと,直接皮膚温を測定する接触型サーモグラフィーに大別される.従来の主流は赤外線サーモグラフィーであり,われわれも10年来にわたって赤外線サーモグラフィーを用いてきたが1,2),赤外線サーモグラフィーは測定感度には問題はないものの機器自体が比較的高価であるという難点を有していた.接触型サーモグラフィーは従来,測定感度が劣るとされほとんど普及していない状況にあったが,最近になり液晶技術等の進歩により感度の向上した優秀な機器を用いることが可能になってきた.今回,われわれは,コレステロール結晶を用いてrigid typeの接触型サーモグラフィーを使用する機会を得たので,従来の赤外線サーモグラフィー,あるいは他の補助診断法であるマンモグラフィー,エコーグラフィーの成績と比較しながらその結果を報告する.
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