臨床外科45巻3号

1990年03月発行

臨床報告

ヘルニオグラフィーによって術前診断しえた両側閉鎖孔ヘルニアの3例

著者： 中嶋昭¹ 菅野範英¹ 長浜雄志¹ 石躍謙¹ 大多和哲²

所属機関： ¹日産厚生会玉川病院外科 ²国保小見川総合病院

ページ範囲：P.393 - P.396

はじめに
　閉鎖孔ヘルニアは術前診断が困難でイレウスを起こし，開腹術によって診断される場合が多い．われわれは最近，イレウス症状を起こした3例をヘルニオグラフィーにより両側閉鎖孔ヘルニアと術前に診断し，鼠径法および大腿法による手術によって治癒せしめた．ヘルニオグラフィーは本症の診断，治療に非常に有用であったので報告する．