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特集 腹部血管病変の診療
腸骨動脈瘤
著者: 矢野孝1
所属機関: 1名古屋大学医学部第1外科
ページ範囲:P.545 - P.549
文献購入ページに移動 腸骨動脈領域に限局して発生する動脈瘤は孤立性腸骨動脈瘤と呼ばれるが,骨盤内の深部に位置するため見つかりにくく,急速に拡張して隣接臓器の圧迫の症状を表したり,あるいは破裂してから初めて診断がなされることも少なくない.破裂に至ってない総腸骨動脈瘤や外腸骨動脈瘤は手術手技に特別な問題はないが,内腸骨動脈瘤で大きいものは瘤が骨盤底に落ち込んで,末梢側の処理に難渋する.破裂の場合には緊急に手術を行うが,腹大動脈瘤破裂のときと同様,術前検査に時間を費しすぎて全身状態の悪化を招くことがないように注意する.
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