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特集 腹部血管病変の診療
Leriche症候群
著者: 江里健輔1 秋本文一1
所属機関: 1山口大学医学部第1外科
ページ範囲:P.551 - P.557
文献購入ページに移動 Leriche症候群は終末大動脈から両側腸骨動脈に至る慢性閉塞により,1)インポテンツ,2)間歇性跛行,3)下肢の疲労感といった症状を呈する疾患である.当初は,原因として血管壁の炎症性変化による大動脈閉塞が考えられていたが,現在では多くの症例が動脈硬化によるものとされている.本症は放置すると血栓閉塞が上行し,腹腔内臓器の虚血を来し致命的となることがあるため,診断が確定され次第,可及的早期に手術をすることが望ましい.血行再建は解剖学的経路に沿うものが好ましいが,全身状態不良例などでは非解剖学的経路で血行再建を行うこともある.また,血栓性閉塞が終末大動脈に限局する症例では稀であるがTEAも適応となる.本症に対する血行再建術の遠隔成績は極めて良好である.
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