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文献詳細

雑誌文献

臨床外科45巻6号

1990年06月発行

文献概要

特集 転移性肝癌の治療

転移性肝癌の診断

著者: 岡本英三1 山中若樹1 藤元治郎1

所属機関: 1兵庫医科大学第1外科

ページ範囲:P.679 - P.685

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 転移性肝癌は,肝外転移がなく原発巣が治癒切除されている場合は,転移巣の分布次第で肝切除あるいは動注化学療法が適応となる.とくに大腸癌肝転移切除例の5生率は30%台ある.このように,一昔前の触診あるいは高度肝機能異常で肝転移が診断されていた時期に比べ,はるかに良好な予後を示す症例が増加している.早期診断の要点はAl-pase, LDHなどの肝機能,CEA(特に大腸癌),CA 19-9, AFP(特に胃癌)など腫瘍マーカー,超音波,CTの画像診断で総合的に検査する.原発巣術後は約3〜4ヵ月間隔で,少なくとも3年間はチェックを怠らないようにする.HCCとの鑑別は患者の背景,腫瘍マーカー,画像診断で比較的容易であるが,門脈系領域癌の肝転移とCCCとは類似している点が多く,臨床経過で鑑別しなければならない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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