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文献詳細

雑誌文献

臨床外科45巻6号

1990年06月発行

文献概要

特集 転移性肝癌の治療

胆道癌の肝転移に対する治療

著者: 佐藤泰彦1 小山研二1

所属機関: 1秋田大学医学部第1外科

ページ範囲:P.707 - P.711

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 胆道癌の肝転移に対する教室の治療成績を初回治療時および再発時に分けて検討した.初回治療時肝転移を伴うものは胆嚢癌6例,胆管癌2例であり,切除例はなかった.このうち5例に化学療法あるいは温熱療法を試みたが,いずれも1年6ヵ月以内に死亡した.胆道癌の再発例のうち肝転移再発は局所再発についで多く,胆嚢癌が2例,胆管癌が4例であった.いずれも多発性で積極的な治療を行うことなく,1年以内に全例が死亡した.
 以上のように胆道癌の肝転移例の治療成績は惨憺たるものであるが,乳頭部癌の肝転移例で,初回および再発時の2回肝切除を行い,6年以上生存中の症例を紹介し,肝転移例の中にも積極的切除が効を奏する例もあることを強調した.いずれにしろ,胆道癌においては未だ主病巣の局所の治療が十分でなく,肝転移巣の治療のstrategyを論ずるのは時期尚早といわざるを得ない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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