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特集 転移性肝癌の治療
胆道癌の肝転移に対する治療
著者: 佐藤泰彦1 小山研二1
所属機関: 1秋田大学医学部第1外科
ページ範囲:P.707 - P.711
文献購入ページに移動 胆道癌の肝転移に対する教室の治療成績を初回治療時および再発時に分けて検討した.初回治療時肝転移を伴うものは胆嚢癌6例,胆管癌2例であり,切除例はなかった.このうち5例に化学療法あるいは温熱療法を試みたが,いずれも1年6ヵ月以内に死亡した.胆道癌の再発例のうち肝転移再発は局所再発についで多く,胆嚢癌が2例,胆管癌が4例であった.いずれも多発性で積極的な治療を行うことなく,1年以内に全例が死亡した.
以上のように胆道癌の肝転移例の治療成績は惨憺たるものであるが,乳頭部癌の肝転移例で,初回および再発時の2回肝切除を行い,6年以上生存中の症例を紹介し,肝転移例の中にも積極的切除が効を奏する例もあることを強調した.いずれにしろ,胆道癌においては未だ主病巣の局所の治療が十分でなく,肝転移巣の治療のstrategyを論ずるのは時期尚早といわざるを得ない.
以上のように胆道癌の肝転移例の治療成績は惨憺たるものであるが,乳頭部癌の肝転移例で,初回および再発時の2回肝切除を行い,6年以上生存中の症例を紹介し,肝転移例の中にも積極的切除が効を奏する例もあることを強調した.いずれにしろ,胆道癌においては未だ主病巣の局所の治療が十分でなく,肝転移巣の治療のstrategyを論ずるのは時期尚早といわざるを得ない.
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