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文献詳細

雑誌文献

臨床外科45巻6号

1990年06月発行

文献概要

特集 転移性肝癌の治療

大腸癌の肝転移に対する治療

著者: 城俊明1 大木繁男1 山口茂樹1 今井信介1 松尾恵五1 長谷川信吾1 土屋周二1

所属機関: 1横浜市立大学医学部第2外科

ページ範囲:P.723 - P.729

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 大腸癌の肝転移に対する治療の第1選択は肝切除術であるが,主に根治性を期待できる場合にのみ行われる.肝転移の個数が3〜4個以内,大きさが7〜8cm以下というのが肝切除の適応の1つの規準と思われる.術式は,腫瘍の小さなものでは楔状切除で十分なものが多いが,腫瘍径が4cmを越えるものでは系統的切除の成績が良い.
 切除不能の肝転移には,各種の姑息的な治療が試みられている.全身化学療法,肝動注化学療法,肝動脈結紮療法,肝動脈塞栓療法等のいずれが最も効果があるか,あるいはこれらによって生存期間がどれくらい延長するのかは,現在のところ明らかではない.しかし,姑息的治療のみで5年以上の長期生存を得ている症例も確認されている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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