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臨床研究
鈍的肝外傷99例の経験
著者: 田島知郎1 猪口貞樹2 池田正見2 正津晃2 田中豊1 三富利夫1
所属機関: 1東海大学医学部外科学II 2東海大学医学部救急医学
ページ範囲:P.755 - P.758
文献購入ページに移動肝外傷は腹部外傷の中でもっとも頻度が高いもののひとつで,その治療成績は着実に向上傾向を示していたが,最近の報告1)によるとこのところやや頭打ちであるとされる.
今回,東海大学病院において過去13年間に経験した99例の鈍的肝外傷例を検討したところ,年次毎の症例数の増加,非手術例の比較的増加,治療成績の向上などの最近の傾向が明らかになった.また,治療成績の向上を阻んでいる因子として,他臓器の重症合併損傷と肝近接主要静脈損傷(juxtahepatic venous injury)のふたつの重要性が改めて認識された.若干の文献的考察を加えて,これら自験例の分析結果を報告する.
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