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文献詳細

雑誌文献

臨床外科45巻7号

1990年07月発行

文献概要

一般外科医のための形成外科手技・19

乳房への整容的アプローチ

著者: 山田敦1

所属機関: 1東京大学医学部形成外科

ページ範囲:P.905 - P.910

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はじめに
 乳房は女性のシンボルとして注目される部位であり,先天的あるいは後天的原因により変形または喪失を来すと,外観的な問題のみでなく精神的苦痛も大きい.以前より欧米においては乳房縮小術,本邦では乳房増大術は美容外科的に行われていたが,乳癌切除後の乳房再建は組織切除量が大きいため困難であった.近年,形成外科における皮弁の概念の進歩により,大きな筋皮弁が採取可能となり,安全確実に乳房再建が可能となった.これに伴い,乳癌切除後,社会復帰する女性も増え,さらに積極的に術前と同じ社会生活をおくるため,乳房再建を希望する女性も増加している.
 現在では,乳房および胸壁軟部組織の欠損状態に応じて種々の再建術式が選択できるようになり,良好な結果が期待できるようになっている.しかし,乳房再建は形態の再建であり,再建結果に対する術後評価が医者と患者の間で異なることがある,術後不本意なトラブルを起こさないように,再建前に各術式の方法,利点欠点,手術のために新たに生じる瘢痕など十分説明しておくことは重要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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