文献詳細
臨床報告
大網異常裂孔ヘルニアによる小腸全摘後HPNにて社会復帰が可能であった1例
著者: 西村秀紀1 木下友順1 疋田仁志2 千賀脩2 宮川信2
所属機関: 1信州大学医学部第2外科 2飯田市立病院外科
ページ範囲:P.1183 - P.1186
文献概要
内ヘルニアは比較的稀な疾患であり,なかでも大網異常裂孔ヘルニアは極めて稀である.また腸管の多量切除は時に致命的となる.われわれは,大網異常裂孔より網嚢内に小腸が嵌入し,さらにこれが捻転し,絞拒性イレウスを生じ,小腸のほぼ全体が壊死に陥っていたため小腸を全摘したが,在宅高カロリー輸液(HPN,home parenteral nutrition)により社会復帰が可能となった1例を経験したので,若干の文献的考察を加えて報告する.
掲載誌情報