臨床外科46巻1号

1991年01月発行

臨床報告

腹部CTで診断された16歳女性の空腸-空腸重積症の1例

著者： 浦田尚巳¹ 森下明彦¹ 山田幸和¹ 笠原洋¹ 久山健¹ 浅川隆²

所属機関： ¹近畿大学医学部第2外科 ²若草第一病院外科

ページ範囲：P.115 - P.118

はじめに
　乳幼児期以後に発症の腸重積症には器質的疾患に基づくものが多くみられるが，その術前診断はしばしば困難である．われわれはこれまでに関連施設の症例をも含めて15歳以上の患者に発症したいわゆる成人腸重積症の4例を経験したが，そのうち術前に腹部CT所見にて診断し得た1例について報告する．さらに，1980年以降の本邦文献から調べ得た範囲で自験例を含めての569例の同腸重積症例において，特にCT所見による術前診断について検討する．