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文献詳細

雑誌文献

臨床外科46巻10号

1991年10月発行

特集 胆石症の非手術的治療—現況と問題点

経十二指腸的切石法

著者: 田中雅夫1 小川芳明1 池田靖洋2

所属機関: 1九州大学医学部第1外科 2福岡大学医学部第1外科

ページ範囲:P.1229 - P.1236

文献概要

 891例の胆石症に内視鏡的乳頭括約筋切開術による非手術的治療を行い,99.3%の切開,93.6%の結石除去に成功した.早期合併症は73例(8.2%)に生じ,2例(0.2%)が死亡した.89%では先端の長いナイフの胆管内挿入に成功したが,残りはプレカットを要し,その場合の急性膵炎の発生率は選択的挿管ESTの約4倍であった.37%が傍乳頭憩室を有したが,穿孔は経験しなかった,結石摘出困難例では,機械式(79例)または電気水圧(8例)砕石術を,またPTCSの併用を5例に行った.5年以上経過例の11.2%に胆管結石の再発がみられた.胆嚢温存例の急性胆嚢炎は有石例のみで20%に生じた.ESTは胆管結石の安全な治療法となり,長期予後もほぼ満足できるものであるが,胆管内挿管不能例の克服,再発の予防,巨大結石の処置などに問題が残されている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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