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特集 術前・術後管理 '91 A.術前評価・準備・処置
月経周期・妊娠と手術
著者: 工藤尚文1 岸本廉夫1 多田克彦1 平野加容子
所属機関: 1岡山大学医学部産科婦人科
ページ範囲:P.32 - P.33
文献購入ページに移動月経時には30〜80%の婦人に,症状の軽重はあるが疼痛(下腹痛,腰痛など),血管神経症状(頭痛,めまい,動悸など),精神神経症状(無気力,精神不安定,イライラ感など),消化器症状(悪心,嘔吐,胃痛など)などが発現する.また,血管透過性や脆弱性の亢進に加えて,プロトロンビンの低下や線溶亢進などの血液凝固・線溶系の変化により1,2),手術時の止血に対しては不利な点が多い.特に,子宮・卵巣動静脈を中心とした骨盤内血管の怒張のため,骨盤臓器の手術では明らかに出血量は増加する.
以上の諸点より,月経時の手術は術中のみならず術後管理の面でも問題が多く,避けるべきであり,原則として性成熟婦人に対する手術は,月経終了後7〜10日以内の卵胞期に行うべきである.これにより,予期せぬ妊娠中の手術も回避できるが,場合により次項で述べる月経時期の人工的変更を行う.
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