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文献詳細

雑誌文献

臨床外科46巻11号

1991年10月発行

文献概要

特集 術前・術後管理 '91 D.特殊病態患者の周術期管理

褐色細胞腫の周術期管理

著者: 小原孝男1

所属機関: 1東京女子医科大学内分泌外科

ページ範囲:P.98 - P.99

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 ■問題点の解説■
 褐色細胞腫は,カテコールアミンを産生・分泌する腫瘍である.多くの場合,持続性または発作性の高血圧をきっかけとして本症患者が発見される.ただ,中には,糖尿病だけがその症状である患者,あるいは特別な症状がなく他疾患のための腹部画像検査で偶然みつかる患者がある.
 本症の患者では,診断までにかなり長い間,高濃度の血中カテコールアミンの影響を受けてきている.高血圧のほかに不整脈,狭心症,糖尿病などを合併していることがしばしばあり,ときには心筋梗塞を起こしている.カテコールアミンの過剰により末梢血管の収縮が起こる代償として循環血液量は減少している.また,その臨床症状のあらわれ方に関係なく,術前・術中に大量のカテコールアミンを放出する危険を常に含んでいる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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