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文献詳細

雑誌文献

臨床外科46巻11号

1991年10月発行

文献概要

特集 術前・術後管理 '91 D.特殊病態患者の周術期管理

Cushing症候群患者の周術期管理

著者: 小原孝男1

所属機関: 1東京女子医科大学内分泌外科

ページ範囲:P.102 - P.103

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 ■病態と周術期の問題点■
 Cushing症候群は,副腎からのコルチゾール過剰分泌による疾患である.その病因は大きく,下垂体性,副腎性,異所性に分けることができる.Cushing症候群の約6割は,下垂体または視床下部からのACTH過剰分泌で起こり,Cushing病と呼ぶ.残りの狭義のCushing症候群は,わが国ではほとんどが副腎腫瘍に原因があり,異所性ACTH産生によるものは少ない.副腎腫瘍のほとんど大部分が腺腫であり,稀に癌腫や結節性異形成・結節性過形成の場合がある.
 一般・内分泌外科医が手術対象とするCushing症候群は主として副腎腫瘍である.Cushing病の原因は多くが下垂体腺腫にあり,その治療は脳神経外科医の専門分野である.今日では,例外的な症例が副腎皮質の過形成に対しての手術適応になる.手術方法として,腺腫・癌腫には患側の副腎摘除,過形成・異形成には両側副腎全摘が基本である.腺腫に副腎部分切除を行い,また過形成に亜全摘または全摘・一部皮質の自家移植を行う方針の施設がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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