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特集 術前・術後管理 '91 F.術後ドレーン・チューブ類の管理
血管内カテーテル
著者: 前田肇1
所属機関: 1香川医科大学第1外科
ページ範囲:P.142 - P.144
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1.目的と適応
動脈圧の変動を時々刻々に監視すると共に,動脈血ガス分析用の採血をする目的で用いられる.したがって,大出血が予測される手術や,血圧の変動や血液ガスの悪化が著しい手術に適応される.心臓・大血管手術,開胸術,脳手術,褐色細胞腫の手術,肝切除術などが適応となる.また,心疾患や呼吸器疾患を有する患者の管理に用いられる.
2.管理上の要点
動脈瘤や動脈硬化のない表在動脈に留置針を挿入する.末梢の血流が保たれていることをAllen試験などで確かめておくことが大切である.留置針の動きは動脈の内膜を損傷したり,刺入部からの感染の原因になるので,留置針をテープで皮膚にしっかりと固定しておく.留置針と延長チューブなどの接合部は,緩まないようにしっかりと接続する必要がある.延長チューブが引っ張られても留置針が抜けないように固定すると共に,刺入部や接続部は常に監視できる状態にしておくことが大切である.血栓形成や留置針のつまりを防ぐために,フラッシュ弁がついた持続加圧注入装置でヘパリン加生理的食塩水を常に注入しておく.動脈内に空気や気泡を押し込まないような注意が必要である.
1.目的と適応
動脈圧の変動を時々刻々に監視すると共に,動脈血ガス分析用の採血をする目的で用いられる.したがって,大出血が予測される手術や,血圧の変動や血液ガスの悪化が著しい手術に適応される.心臓・大血管手術,開胸術,脳手術,褐色細胞腫の手術,肝切除術などが適応となる.また,心疾患や呼吸器疾患を有する患者の管理に用いられる.
2.管理上の要点
動脈瘤や動脈硬化のない表在動脈に留置針を挿入する.末梢の血流が保たれていることをAllen試験などで確かめておくことが大切である.留置針の動きは動脈の内膜を損傷したり,刺入部からの感染の原因になるので,留置針をテープで皮膚にしっかりと固定しておく.留置針と延長チューブなどの接合部は,緩まないようにしっかりと接続する必要がある.延長チューブが引っ張られても留置針が抜けないように固定すると共に,刺入部や接続部は常に監視できる状態にしておくことが大切である.血栓形成や留置針のつまりを防ぐために,フラッシュ弁がついた持続加圧注入装置でヘパリン加生理的食塩水を常に注入しておく.動脈内に空気や気泡を押し込まないような注意が必要である.
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