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文献詳細

雑誌文献

臨床外科46巻11号

1991年10月発行

文献概要

特集 術前・術後管理 '91 F.術後ドレーン・チューブ類の管理

術後腹腔ドレーン

著者: 加賀美尚1

所属機関: 1埼玉医科大学総合医療センター救命救急センター

ページ範囲:P.148 - P.149

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 ■腹腔内ドレーンの目的と適応■
1.目的
 腹腔内ドレナージの目的は,腹腔内に貯留する膿汁,血液,滲出液,場合によっては胆汁や膵液,消化管の内容を体外に排出して,腹腔内の炎症の波及拡大を防ぎ,治癒への条件を整えることにある.
2.適応
 腹腔内の膿瘍,汎発性腹膜炎に対する開腹術で,腹腔内にドレーンを挿入・留置することに異論を唱える外科医は少ないであろう.しかし,予防的な安全のためのドレーンあるいはインフォメーションドレーンの挿人・留置には反対の意見を持つ外科医もいる.実際,そのようなドレーンを入れておいたおかげで重大な合併症に至らずにすんだと胸をなでおろしたり,逆に,ドレーンを入れておきさえすれば,あるいはドレーンが効いてくれればこんな事態を招きはしなかったであろうにと臍を?んだという経験談を聞くことがある.いずれにせよ腹腔内ドレナージの適応は,外科医それぞれの臨床経験によってかなりの差異がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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