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文献詳細

雑誌文献

臨床外科46巻11号

1991年10月発行

文献概要

特集 術前・術後管理 '91 H.術後合併症の対策 a.頭頸部術後の合併症

頸部術後出血

著者: 武市宣雄1 土肥雪彦1

所属機関: 1広島大学医学部第2外科

ページ範囲:P.194 - P.196

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 ■病態・病因■
 頸部の術後合併症のなかで最も注意を要するものは,術後出血による気道狭窄の出現である.頸部は細く,その中に主に脳に血液を供給する頸動脈,椎骨動脈とその環流路となる内頸静脈,外頸静脈,椎骨静脈がある.甲状腺は血流豊富で,重要な血液環流路の1つである.これらの頸部の大動脈,大静脈およびそれらの分枝や甲状腺を術中に損傷した場合,その出血量が約150 mlに達すると,頸部静脈が圧迫されて声帯浮腫が起こる.これが気道狭窄,呼吸困難の主な病因である.勿論,頸部でも大量の急性出血が起こると出血性ショックをきたす.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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