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文献詳細

雑誌文献

臨床外科46巻11号

1991年10月発行

文献概要

特集 術前・術後管理 '91 H.術後合併症の対策 a.頭頸部術後の合併症

一側・両側反回神経麻痺

著者: 藤田博正1

所属機関: 1久留米大学医学部第1外科

ページ範囲:P.202 - P.203

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 ■病態・病因■
 いわゆる反回神経麻痺とは,喉頭(声帯)の運動麻痺を来す神経原性疾患の総称である.声帯運動麻痺は臨床的に“術後性麻痺”と“手術に無関係なもの”に分類されるが,術後性麻痺はこの遠心性ニューロン,とりわけ反回神経が頸部あるいは胸部において手術時に損傷されて発症する.
 廣瀬1)は,文献上集めた4,500例の声帯運動麻痺(以下,反回神経麻痺)のうち,術後性麻痺は30%で,甲状腺手術後に発症したものがその2/3を占めていたが,胸部外科手術後の反回神経麻痺も次第に増加しつつあると報告している.過去10年間の当科における胸部食道癌手術後の反回神経麻痺の頻度は47%(149/316)であったが,前半5年間では44%,後半5年間では51%と頸部上縦隔リンパ節郭清の徹底化に伴い増加傾向にある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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