icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床外科46巻11号

1991年10月発行

特集 術前・術後管理 '91

H.術後合併症の対策 d.開腹術後の合併症

麻痺性イレウス

著者: 小西文雄1 斎藤幸夫1 宇賀神浩人1 金澤暁太郎1

所属機関: 1自治医科大学消化器・一般外科

ページ範囲:P.232 - P.233

文献概要

 ■問題点の解説■
 開腹手術後には,消化管の蠕動運動が一時的に減弱ないし消失し,腸管内にガスや腸内容が貯留する.このため,腹部は軽度に膨隆し排ガスや排便が停止する.このような状態は,“生理的イレウス(physiologic ileus)”と呼ばれ,開腹手術後には必ずみられるものである.通常,このような開腹術後の腸管麻痺は48〜72時間続いたのち軽快する.すなわち,やがて腸管の蠕動音が聴取されて腸管麻痺は次第に改善され,軽い腹痛を伴った後に排ガスが認められる.このような通常の術後の経過とは異なり,腸管麻痺の状態が遷延して麻痺性イレウスとなることがある.いったん麻痺性イレウスに陥ると難治性であることが少なからずある.このような場合には,麻痺性イレウスを来している原因を検索し,適切な処置をとる必要がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら