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文献概要
特集 術前・術後管理 '91 H.術後合併症の対策 d.開腹術後の合併症
腹壁縫合糸膿瘍
著者: 渡邉千之1 石山賢1
所属機関: 1自衛隊中央病院外科
ページ範囲:P.246 - P.248
文献購入ページに移動 ■病態と病因■
縫合糸膿瘍は創感染の一形態であるが,創感染が術後2〜3日から10日前後に発症し,処置が速やかであれば入院中に治癒してしまうことが多いのに対し,縫合糸膿瘍は早い時は術後数日内に発症する例もあるが,退院後に発症することも多く,遅い時は術後数年を経過して発症する場合もある.生命予後にかかわる程の重篤な合併症ではないが,病悩期間が長期にわたるため,患者ばかりでなく外科医にとっても気の重い術後合併症である.
原因は非吸収性の縫合糸が創内の異物として作用し,これを核として膿瘍を形成したものである.腹部手術に優秀な非吸収性縫合糸が使えるようになったメリットとして創哆開や腹壁瘢痕ヘルニアが減少した反面,縫合糸膿瘍はそのデメリットである.
縫合糸膿瘍は創感染の一形態であるが,創感染が術後2〜3日から10日前後に発症し,処置が速やかであれば入院中に治癒してしまうことが多いのに対し,縫合糸膿瘍は早い時は術後数日内に発症する例もあるが,退院後に発症することも多く,遅い時は術後数年を経過して発症する場合もある.生命予後にかかわる程の重篤な合併症ではないが,病悩期間が長期にわたるため,患者ばかりでなく外科医にとっても気の重い術後合併症である.
原因は非吸収性の縫合糸が創内の異物として作用し,これを核として膿瘍を形成したものである.腹部手術に優秀な非吸収性縫合糸が使えるようになったメリットとして創哆開や腹壁瘢痕ヘルニアが減少した反面,縫合糸膿瘍はそのデメリットである.
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