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文献詳細

雑誌文献

臨床外科46巻11号

1991年10月発行

文献概要

特集 術前・術後管理 '91 H.術後合併症の対策 d.開腹術後の合併症

ダグラス窩膿瘍

著者: 加賀美尚1

所属機関: 1埼玉医科大学総合医療センター救命救急センター

ページ範囲:P.252 - P.253

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 ■定義■
 最初から余談めくが,一言,ダグラス窩の定義に触れておきたい.James Douglas(スコットランドの解剖学者で産科医,1675〜1742)が,女性における直腸子宮窩,すなわち子宮の後方で直腸との間の腹膜の深い下方への凹みとなった部位に名づけた名称である.その底部は後腔円蓋にまで達していて,腔の内腔と腹膜腔とは薄い壁で隔てられているだけである.この解剖学的な特徴が,後述するように臨床的に大きな意義をもっている.そのため臨床の日常では,男性における膀胱の後方の直腸との間にある直腸膀胱窩もダグラス窩と呼ぶことが多い.定義にこだわるときにはPelvic abscessと呼ぶこともある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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