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文献詳細

雑誌文献

臨床外科46巻11号

1991年10月発行

特集 術前・術後管理 '91

H.術後合併症の対策 e.消化管術後の合併症

胃亜全摘術後の残胃血行障害

著者: 丸山圭一1 笹子三津留1 木下平1

所属機関: 1国立がんセンター外科

ページ範囲:P.266 - P.267

文献概要

 ■病態・病因■
 胃壁内,特に粘膜下層には血管網がよく発達しているので,devascularizationによって血行障害を起こすことがない(図1).そして,胃亜全摘を行った後の残胃の血行は,脾門部からの短胃動静脈によって大部分供給される.
 脾を温存して脾門リンパ節を郭清する手技として,陣内はいわゆる“すだれ郭清”を提唱した1).これは,膵脾を脱転したのち,脾門の脂肪性結合組織中に生食水を注射して血管を遊離し,この短胃動静脈のみを温存して,その他の組織をすべて切除する方法である.温存された細い4〜6本の短胃動静脈がちょうど“すだれ”のように脾門部から残胃の大彎に残り,脾門リンパ節と脾動静脈幹リンパ節は完全に郭清されるわけである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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