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文献詳細

雑誌文献

臨床外科46巻11号

1991年10月発行

文献概要

特集 術前・術後管理 '91 H.術後合併症の対策 e.消化管術後の合併症

胃切除術後の急性膵炎

著者: 高野征雄1 工藤進英1 三浦宏二1 藤田康雄1

所属機関: 1秋田赤十字病院外科

ページ範囲:P.274 - P.275

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 ■病因と発生頻度■
 胃切除後の急性膵炎は,その発生機序はなお明らかでないが,比較的早期に発生する死亡率の高い重篤な合併症のひとつである.Whiteら1)は各種術後に発生する膵炎の頻度は0.03%であるのに対し,胃切除後の膵炎発生頻度は0.8%と高率で,膵炎全体の約6%を占め,Billroth I法よりBillroth II法での発生頻度が高いと述べている.
 その発生要因を表1に示したが,術中の膵損傷では切創や挫滅のみならず,膵の移動,牽引によっても発生しえ,胃癌手術で膵被膜を剥離する際や,リンパ節郭清時の損傷および膵合併切除に由来するもの,さらに術後の十二指腸内圧亢進による胆汁・十二指腸内容の膵管内逆流や乳頭部浮腫などによっても間接的に起こり得る.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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